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片付けの一息を入れているところです。ふぃ~。
照明を買いに行って、きっと弁丸はぱかぱか冷蔵庫を開けたりして遊ぶんだろうなとどきどきしました。

左近達と合流した直後。

やっと安心できたのだろう、弁丸が左近に抱き上げられたまま大泣きし、佐吉と左近とそして梵天丸は再び弁丸をあやすのに少々体力を使わねばならなかったが。

「では、行きますか」
今はもうにこにこ笑う弁丸を地面に下ろすと左近はそう言った。
「どこにいくのだ、左近?」
佐吉が訝しげに左近を見上げる。
「何処って、象を見に行くんでしょ?みんなで象を見に行って、そうしたら帰りましょうか」

そういうと左近は皆を一列に並べ手を繋がせた。これ以上迷子になられてはたまらない。荷物を抱えあげた左近は、絶対に手を離さないように言い含め(さすがに皆真剣な表情で頷いた)、象に向かって行進する子供達のすぐ後ろを追った。

「おしっこがしたいのです!」
象の前について早々、象を見るか見ないかの内に弁丸がそう叫ぶ。
まだ少々目は赤く腫れているが、すっかり元気になったようだ。
左近は、同じくもじもじしている佐吉に弁丸と一緒にトイレに行くように促すと梵天丸の横に腰掛けた。

「左近、先程は迷惑をかけた」
象から目を離さずに呟く梵天丸に思わず苦笑する。

「いえ、左近も遅くなってすみませんでしたね。しかし助かりましたよ、弁丸をずっと見ててくれたんでしょう?」
「……弁丸を泣かせた。儂は何も出来んかった」
「そうですかい?」
左近はそのまま梵天丸を膝に乗せた。なるべく顔を見ないように頭を撫でてやる。

「弁丸は、あんたを心配して泣いていたように見えましたよ。まあ、迷子になったっていうのもあったんでしょうけどね」
「…そうか。弁丸に心配されるようでは儂もまだまだじゃな」
トイレの出入り口付近が騒がしくなった。おそらく佐吉と弁丸がそろそろ出てくるのだろう。
梵天丸が慌てて目元を左手で擦る。
「すまんかった、左近」
「ま、これから帰るまで弁丸のお守をお願いするでしょうからね。お互い様ですよ」

左近がもう一度梵天丸の頭に手を乗せた時、動物園内にけたたましい放送の音楽が響き渡った。

『佐和山よりお越しの島左近様』

「な、俺?」
異変を嗅ぎ付け左近の周りに集まる子供達。

『樋口与六君が正面入り口前でお待ちです、繰り返します…』

「ちょ、え?あ!本当だ!待ってください、いつからあの人いないんですかい?」
「馬鹿め!何をやっておるのだ、あ奴は!」
「与六も、まいごになったのか?左近」
「よろくどのがどうかなさったのですか?べんまるもなにかおてつだいいたします!」
「もともと、どうかなさっていたぞ、与六は。なあ、左近」
「殿、それどころじゃないですよ!早く迎えに行かないと!何をし出すか分かったもんじゃない!」

プチパニックに陥った左近達は、それでも取るものもとりあえず正面入り口に向かい、そこで「ふむ!思いの外早かったな!私も皆が迷子騒ぎを繰り広げている間、存分にこの動物園を検分させて貰った!土産が買えなかったのは残念だが園内の至る所に義・愛そして毘という文字を落書きしておいた!気付いたか佐吉!」と叫ぶ与六と再会したのだった。

つーことで、とても頑張った梵天丸もちゃんと泣かせてあげようと決めていたのでした。
とってもしんどかったと思うので。で、与六がね。もう駄目だ、わたしも制御できません、彼は。
苗字は樋口にしておきましたが、然したる問題ではないです。公共物への落書きは不義です。
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