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今日はいろいろ用事があっててくてく歩き通しだったのですが、その途中、何気なく覗いた路地に「三幸じどーしゃ」の文字が!!
ちょ、なんてこと!あんたら何商売してるの?!と大慌てで全然関係ないその道に思わず突っ込んでしまいました。危うく迷子になるところでした…ふぃ~。
あ、もちろん、三幸も好きですが、伊達と真田がうふふであははなわたしは、血眼で「ダテサナじどーしゃ」も探しましたとも!ええ、ありませんでしたが!くっ…。
そういえば、以前実家から帰るのに、高速乗るときにも「三/幸/会」だかという看板をみましたよ?流行ってる?流行ってるのか?
佐吉がいなくなった店内で、三家老による無駄な会議は暫く続き。佐吉の姿が店内に無いことに気付いた三人が奇声を上げてスーパーを飛び出してくるまでに、佐吉は家まであとわずかというところまで来ていた。
(あとすこし、だ。しかし)
袋を握っている右手はもう真っ赤だ。左手に荷物を持ち替えると、右手を口元に当て息を吹きかける。
(くそっ、ぎゅうにゅうがおもくて、てが…ぎは、ついえるか)
よたよたと牛乳を運ぶ佐吉にやっとの思いで追い付いた三家老。
「殿が!」
「殿が、あんなに健気に牛乳を!」
「おお!殿!」
左近が、郷舎が、兵庫助が口々に叫ぶ。
左近は盛大に顔を顰めて目頭を覆っているし、郷舎は溢れ出る涙を隠そうともしない。兵庫助は大きく鼻を啜り上げた。
と、一抱えもある牛乳で前が見えなかったのだろうか、佐吉がバランスを崩し、こてん、と転んだ。
「「「と、殿―――!!!」」」
「もう駄目だ!殿!殿―、大丈夫ですかい!」
後から郷舎に羽交い絞めにされながら左近が叫ぶ。
「左近殿!ここは待たれよ!ここで助けたら殿は殿は―――!」
「離してください、郷舎殿!もしも殿に何かあったら…!」
「しかし殿はここまでご自分で成し遂げられたのだ!殿を信じられよ!」
「…郷舎殿…兵庫助殿…」
三家老がそんな阿呆丸出しな小芝居を繰り広げている間にも佐吉はすっくと立ち上がると、小走りで先を急ぎ始めた。
牛乳を持つ手は痛くてじんじんするし、少しだけ擦り剥いた膝が痛い。
ただ、後から聞こえてくる恥ずかしいことこの上無い叫び声の対象が自分だと隣近所に知られることに比べれば、このような痛み然したる問題ではない。
(おれはたにんだ、あいつらとは、たにんだ)
そのことのみを考え、ただ黙々と歩みを進める佐吉。
子供には少し重過ぎる牛乳を抱えたままで家に辿りつけたのは、ある意味三家老の功績と言えなくもない。
もうぼろぼろですな、三家老…。
あとちょっとで終わります。