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今日は割合長いこと頑張ったつもりだったんですが、全然書けませんでした。
うん、そゆ日もあるですよ。
それよりも播磨灘読んで、官兵衛殿に夢中でございまする。関ヶ原のラストでもなんて素敵な御仁だ、よくぞ言ってくれた!と思ったものですが、官兵衛殿やっぱりかっちょいいです。
司馬先生は物語の切りどころもだいすきです。ラストシーンの容赦のなさにときめくのです。

結局そのまま三家老は、すぐに佐吉に追いついたもののこっぴどく叱られた。当然だ。
しかしここで引き下がる三家老ではない。

「うぬう。このままでは殿がどんな危ない目に遭うか分からぬ」
頭を抱える郷舎。佐吉の危機の可能性と聞いて左近の軍略が光る。
「殿の後をこっそりつけましょう。幸いカメラも持ってきていることですし?」
今日の軍略は冴えなかったばかりか、佐吉の雄姿を録画することしか頭になさそうな左近。
「そうじゃそうじゃ。おお!殿が道を曲がられますぞ!」
そんな軍略とも呼べぬ軍略なのに、手を打って喜ぶ兵庫助が少し痛ましい。

そんな駄目な大人達を尻目に佐吉は交叉点の角を曲がった。スーパーまでの道のりはしっかりと彼の頭の中に入っているようだ。

「今のところ車の往来も少ないですし特に問題は…っと」
電柱の影に身を潜め(大人三人隠れきれる訳はないのだが、左近達は隠れているつもりだし、勿論通りすがる他人の訝しげな視線など何処吹く風である)佐吉を見張っていた左近が軽く舌打ちをした。

「どうなされた、左近殿?」
「殿の進行方向に地べたに座り込んでいる子供がいるでしょう?あれ多分弁丸ですよ。よく見えませんが」
「何?弁丸殿と言えば殿の御友人ではないか?!」

先を行く佐吉が弁丸に気付いたらしい。顔を上げるとぱたぱたと走り出す。
「ああ!そんなに走られて!転びでもしたらどうなさるのだ」
そう言いながらも郷舎はカメラを覗き込んでいる。転んだら転んだでいいシャッターチャンスだとでも思っているのだろう。

「弁丸!」
郷舎の期待に反して無事弁丸の下に辿り着いた佐吉が声を掛ける。地面を熱心に見ていた弁丸が顔を上げた。

「これはさきちどの。どうなさったのですか?」
「おれはひとりでおつかいにいくところなのだ」
少し誇らしそうに答える佐吉。弁丸に嬉しそうに報告する佐吉は微笑ましいが問題はここからだ。そう左近は思う。
「弁丸はなにをしているのだ?」
ほらきた。いやここまでは会話の流れからして当然だろう。
だがここで弁丸が佐吉の興味を惹くようなことを言わないとも限らない。よもやないとは思うが、一緒に遊び出したら。
その時こそ俺の軍略の見せ所ですかね。

「べんまるは、ありのすをみておりました」
「ありのすだと?」
微妙だ。佐吉は虫が好きではない。が、蟻なら悲鳴を上げて逃げるほど嫌いという訳でもない。
「はい。ありのすに、みずをいれるのです。ちちうえがおしえてくれた、あそびなのです」

弁丸の右手には如雨露が握られている。ゾウを模った子供用如雨露で一体どれだけの蟻を虐殺してきたのか、考えるだに恐ろしい。
「きょうはもう、むっつもありのすをほろぼしたのです!みずぜめにございまする!」
「そうか、弁丸…ええと、がんばれよ?」
「はい!がんばります!」

幸い佐吉の興味は蟻の巣には向かなかったらしい。辛うじて弁丸に激励の言葉をかけるとその場を後にする佐吉を見て、電柱の影から野太い歓声が上がったのは言うまでもない。


弁丸の遊びの内容が酷すぎる…。わたしは弁丸をどうしたいのか。
これを書いた直後本気で、梵天丸は弁丸のどこに惚れたのかと悩みました(笑)。
きっとかわゆくて純粋なところだよね。故に遊び方は残虐。

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