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全く師匠が仰るとおり、すごいにゃんこブームですね!万歳!
さんざん素敵サイト様を回って、丁度洗面所の前を通ったら、自分の凄いいい笑顔が鏡に映って、とうこさん、ひきましたよ、真剣に。

すみません。とりあえず先に謝りますが、私も…にゃんこ…書きたくなって、書いちゃって…すみません。
これじゃあ猫耳弁丸じゃなくて、猫の弁丸だっていう突っ込みは散々自分でしましたから!
今日はお外で呑みますが、そこで猛省します。が、後悔はしていません。

遠慮がちに響く足音が近付き、政宗は小さく嘆息した。
その溜め息の八割は冗談というか、演技というか、あくまで「儂は今お主に構ってる場合ではないのじゃ」という思いを周囲に向かって主張する為であって。
だがそれを最も真摯に受け止めて欲しい筈の相手は、ドアをそっと開け政宗の姿を確認すると頭の上の大きな耳をさも嬉しそうにぴんと立てるのだ。


「まさむねどの!」

弁丸の声は聞こえている筈なのに、政宗はテーブルに新聞を広げそれを覗き込んだまま、顔も上げない。
いつもならここで「何じゃ弁丸」と幾分かだらしない笑み(弁丸には普通の笑顔にみえる)を浮かべながら、何をおいても抱っこしてくれる政宗が。ついでにちょっと甘えればお魚を焼いてくれたり、お散歩に連れて行ってくれたり、そうでなくても頭を撫でてくれる政宗が。


「まさむねどの?」

ふさふさした黒い耳が、異変を知らせるようにぴこぴこ動いたのが視界の端に映る。
お前は弁丸に甘すぎる。つい先程兼続から受けた小憎たらしい指摘に、政宗は胸の裡で反論した。こんなに可愛いのじゃ、甘くなるのも道理であろう。


「いいか山犬、可愛いからと何でもかんでも大仰に構ってやるのは間違っている!不義!折角ここまで可愛らしく育った弁丸が貴様の所為で不義の徒にでもなったらどうする!」
不義の徒になっても儂は一向に構わぬが。五月蝿い兼続にそう切り返したら「不義の徒になったと私が判断したら、この兼続、全力を尽くして弁丸に義の再教育をするぞ」と脅された。

あの義馬鹿に屈するのはたまらなく屈辱だが、あ奴はやる、いっそ政宗の許から弁丸を攫いかねん。
「いやにございまする、べんまるは、まさむねどののところにかえるのです!」
たすけてまさむねどの!と脳内の弁丸が耳としっぽを垂らして切なげに泣き叫んだので、政宗は思わず鼻を、いや目頭を押さえた。むやみにべたべたと構わないこと、最低限の躾は教えること、その二つは守れと兼続からきつく言い含められたのだ。そもそも弁丸を拾ってきたのは兼続で、弁丸に惚れ込んだ政宗が兼続に頭を下げて、無理矢理弁丸を譲って貰って以来、どうも立場が弱い独眼竜である。



さて政宗が頭の中で忙しく立ち回っている(どうしたら兼続を黙らせられるかとか、弁丸が育った暁にはまず何をしようとか、つまりはそういう妄想だ)間、弁丸はテーブルの脇に近付くと背伸びをして政宗の手元を覗き込んだ。
政宗の腰くらいまでの身長しかない弁丸にとってテーブルは少し高い。それでも政宗の視線が新聞に向いているのはなんとなく理解できる。
がさがさする新聞は乗ってよし、破いてよしの弁丸のお気に入りの玩具の一つだが、政宗も時々新聞で遊ぶのを弁丸は知っている。新聞で遊ぶといっても、政宗はただじっと新聞を見ているだけなのだが。弁丸は、政宗のそんなとこも理解できないし、そもそも政宗がこっちを見てくれないことが腹立たしい。


ならば政宗の視界にこっちから入ればいいのではないか。
こんなすごいことをおもいつくなんて、べんまるはあたまがよいです!
小さな手をぽん、と一つあわせると、早速弁丸はテーブルに狙いを定めた。まずは、政宗のシャツの裾を掴んで(痛、という声が聞こえたので、もしかしたら掴んだのは服だけではなかったかもしれないが、弁丸にはどうでもいいことだ)膝によじ登る。ここまではよくしていることなので、弁丸にとっては朝飯前だ。


途中で頭上から「こういう時はもう構っても良いんじゃよな?っていうか、そもそもむやみに構わないってどのくらいじゃ?」という不安げな声が聞こえたが、それも弁丸にとってはどうでもいいことなのでやっぱり無視した。

政宗の膝の上は弁丸にとって嬉しい場所だし、テーブルの端から僅かに飛び出した新聞の端っこにもっと嬉しくなって、ついしっぽがぱたぱたしてしまう。
「こら、しっぽが顔に、ぶほっ、止めぬか」
うーん、でもきょうは、しんぶんであそぶのではないのです!しっぽをうずうずさせたまま、政宗の腿を足がかりにしてでもテーブルの上に登るという初心を忘れない弁丸。
足の下でごりっという嫌な音がしたが、弁丸の足の裏はちっとも痛くなかったので気の所為だと思うことにした。よのなかには、ふしぎなこともあるものです。


テーブルの上にやっと到着して、振り返ったら政宗と目が合った。弁丸はそれだけでうきうきして、自分でもしっぽの付け根がふるふる震えるのを感じる。
何故か自分の腿をさすっていた政宗は、それでも頭を撫でてくれた。
たぶん、てーぶるのうえにのれたので、ほめてくれているのです。
そう思ったらもっともっと嬉しくなって、咽喉の奥からぐるぐる変な音が出そうになって、だから慌てて新聞の上にきちんと座り直した。
政宗の頬に腕を伸ばしてみる。抱っこして貰わないと弁丸には届かない政宗の顔。


「そんなところに座ってはいかんだろう」

そう言って笑う政宗は、焼いたお魚と同じくらい弁丸のお気に入りだ。
胸がざわざわして甘えたくなったので政宗の頬に鼻をこすりつけたら、くすぐったいと叱られた。
でもしかりながらぎゅーっとしてくれるうでは、もしかしたら、やいたおさかなより、すきかもしれません。そう、それはちょうど、おさしみとおなじくらい!



「ふぎ―――!」

窓がびりびりするような声が響き、弁丸のしっぽがぶわっと広がる。
政宗にしがみ付いたまま、声のした方を見たら、佐吉の手を引いた兼続が凄い形相で立っていた。因みに兼続の大声に驚いたのだろう、佐吉のしっぽも大きくなっている。


「貴様どこから入ってきた!儂と弁丸のいちゃらぶなひとときを邪魔するとは…」
「黙れ山犬!弁丸をテーブルに座らせるとはなんという不義!」
「そこか?!そこは今どうでもいいところじゃろう?」


かねつぐどのがくると、いつもこうなのです。とりあえず政宗に構って貰ってすっかり満足した弁丸は、小さな伸びを一つすると軽やかにテーブルから飛び降りた。

「さきちどの!あそびにきてくれたのですか」
「ああ。さっきそこで兼続にあったから、いっしょにきた。じゃまだったか?」
「いいえ、もうまさむねどのとあそぶのにもあきたところです!」


政宗が聞けば崩れ落ちそうな台詞だが、幸か不幸か、政宗は兼続との罵り合いに夢中でそれどころではないようだ。

「そうか、おれも、左近といるのがうざくなったので、あそびにきた」

佐吉の首に下げられた小さな鈴がちりん、となる。
散歩が大好きな佐吉の身を心配して鈴を付けてくれた左近がこの言い草を耳にしたらさぞがっかりするだろうに、やはり諌める者はこの場には誰も居ない。


くさがふわふわの、よいひるねばしょをみつけたのだ。
そう言って弁丸の手を引っぱる佐吉にしっぽを立てて頷きながら、いまおひるねしたら、まさむねどののつくったおさしみのゆめがみられそうなきがします、と弁丸は何故かすごくすごく嬉しくなったのだった。


だ、だから猫の弁丸の話だって…。こどもとねことべんまるっていう、自分の好きなものいれただけだよ!
兼続は保護者気取りなだけで何の関係もありません。出したのは趣味です。
佐吉まで猫なのも趣味です。さこみつかどうかまでは存じ上げてません…。

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