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1個あげました。
見て頂ければ分かると思うのですが、すごい難産でした。もともと2週間前くらいに書いたものだったのですが、途中で納得いかなくて放置していたものです。ちょこちょこ手直ししているうちにどんどん訳が分からなくなり、放り出してはまた手直しし、の繰り返し。これ以上は多分無駄だと見切りをつけ、結局訳が分からないうちにあげてしまいました。すみません。いつか急に手直しするかもしれません。
はじめに書き始めたときには「恋人が叱ってくれるくすぐったさ」みたいなものがテーマでした。いや、そんなかっちり決めていたわけではないのですが。伊達と真田が喧嘩すると、やはり謝り上手は政宗という気がするんですね。幸は、謝るのが苦手そうだし、そもそも頑固に過ぎるところがあるし、いや悪いとは思ってるんだけど、自分のもやもやが解消されないと素直になれないから時間がかかるというか。
そうすると、政宗があっさり謝るのは、幸にとって羨ましくもあり辛くもあるのではないでしょうか、と思ったのです。あーちゃんと謝れないなんて自分子供だなあ→呆れられたら嫌だなあ→もっと他にも不満とかあったらどうしよう→不安みたいな流れをね、書きたかったわけで、ごにょごにょ。
実際政宗にはさほど不満は無いのですが、他愛無いことで叱られることで、幸のこうした一連の不安へのプロセスが却って解消される、という話だった筈、なのです、よ。おっかしいなあ。
途中で政宗が急に語り出したので、もういいや、とそのまま語らせました。この人、幸村のこと本当に好きなのだなあとびっくりしました。何を今更という感じなのですが。もう、幸せならそれでいいです。それで綺麗に纏めたつもりかこのやろう。
多分、ぐにぐに互いに考えるという状況が、わたしは好きなのだろうなと思います。
例えば大坂前、幸は勿論自らの名の為の戦をすることも覚悟も決めているし、政宗は伊達を残すことを決めてそれで幸村がいなくなる覚悟は固まっているでしょう。でも、覚悟を決めることと考えないことは違うというか。目の前にいればまだ迷うし、ぎりぎりまで傍にいたいと願うし。互いにとって互いは一番大事なのでしょうけど、一番大事なものが一つとは限らないし、一番が常に一番とは限らない、これも本当のことです。
伊達のことを思うばかりに弱々しい幸も、うっかり政宗に走って後悔してしまう幸も、政宗を振り払ってあっさり特攻する幸も、もう何でもいいんです。最期まで政宗のことをぐだぐだ考えて足掻いて悩むことをやめないでいるという覚悟さえあれば。一見、すごく女々しいですが、あなたを考えることを諦めませんという一点においてのみ非常に潔く素敵だと思うのです。それは政宗も同様に。
つか、それはそれとして、何故か最近直江が熱い。今更なんですが急に格好良く見えてきました。あ、いえ、好きでしたよ、好きだったんですが、見ていると胸がきゅん!て(笑)。今日もスーパーで切り刻まれた烏賊を思わず買ってしまいそうになった程。まあ、こういうこと言ってるようではまだまだ大丈夫だと思うのですが。負けません!もう意味が分かりません!
あ、こどもむそうも再開です。のんびり進めますー。
父と兄の声に見送られて弁丸は玄関のドアをぱたん、と閉めた。いつもは行儀の良い弁丸が「いってきます」の挨拶すらしなかったのには訳がある。
「たんさんでんち、みたらしだんご、じこくひょう、たんさんでんち、みたらしだんご、じこくひょう」
弁丸の口の中で繰り返される三つの単語。それはとてもとても難しかったので、声を出すと忘れてしまいそうになるのだ。さっきは靴を履いただけで一つ忘れてしまい、玄関先で父に再度教えてもらったばかりだ。
弁丸が、全く関係なさそうなこの三つのもので頭をいっぱいにしているのには訳がある。そう、今日は弁丸のはじめてのおつかいの日、なのだ。
おつかいがしてみたい。弁丸が父・昌幸にそう訴えたのは、佐吉のお使い話を聞いてそれからさほども経たぬ日のことだった。
「さきちどのが、ぎゅうにゅうをかったそうです!べんまるもぎゅうにゅうがのみたいです!」
「牛乳なら冷蔵庫に入っておるぞ、弁丸」
「ちがうのです。さきちどのはごじぶんで、かったのです。じぶんのぎゅうにゅうです!」
こんな調子だったので、随分時間はかかったが、それでも弁丸の熱意は伝わったらしい。
「何じゃ、弁丸も一人でお使いに行ってみたいのか」
昌幸の言葉に顔を輝かせる弁丸。こくこくと大きく何度も頷きながら昌幸の傍を跳ね回る。
「しかし同じ牛乳では面白みに欠けるしのう」
何やら思案顔で首を捻っていた昌幸であったが、やがてふと思いつくと弁丸にこう聞いた。
「折角じゃ。一番近い店などではなく、少し歩いたところにある大きいスーパーに行ってみとうはないか?弁丸」
弁丸の家から歩いて行けるスーパーには二つある。一つは佐吉も行った最寄のスーパー。大抵の食料品はここで買うことができるが、あくまで普通のスーパーである。
そしてもう一つは、スーパーと言うよりは小さめのショッピングセンターに近い。1階には食料品も勿論あるが、2階には服や雑貨、3階には本屋と玩具屋があり、弁丸は時々昌幸にここに連れて行って貰うのが何より楽しみだった。
普段は絶対に一人では行ってはいけないと言い聞かせられているそこに、行っても良い、そう昌幸は言う。弁丸にとってはまるで夢のような事態だ。但し、
「たくさんお店があるからのう、弁丸が買い物をするのは少々難しいぞ?」
「だいじょうぶにございまする!べんまるはきちんとかいものをしてみせます!」
鼻息荒くそう言う弁丸に、昌幸は買うものを教えてくれた。
まずは単三電池。昨日弁丸の玩具の電池が切れたのだ。「これを買わぬと弁丸のあひるも動かぬわい」父にそう言われ弁丸は「たんさんでんち」という言葉を胸に深く刻み込んだ。
でんちはあひるさんにとって、ごはんみたいなものだと、あにうえもいっておられました。
昨日から動けないでいるあひるを、があがあとうるさい、いつものあひるにしてあげなければ。弁丸の闘志に火が付く。
次に昌幸が挙げたのはみたらし団子であった。
スーパーの脇にある持ち帰り専門のちょっとした食べ物屋で弁丸もよく団子やアイスを買ってもらう。「あそこのだんごをかってもよいのですか?」そうはしゃぐ弁丸に昌幸は笑いながら頷いた。「弁丸がお使いを終えて帰ってきたら皆で食おうぞ」そう昌幸は言う。
すごいすごい。おつかいってこんなにいいことだらけでなんだかすごい。拍手し出した弁丸に「人数分だぞ」と釘を刺すのも昌幸は忘れない。
最後に聞いた買う物はちょっと弁丸にはよく分からなかった。「じこくひょう」というものを買って来て欲しい、と昌幸が言ったが、弁丸は「じこくひょう」という言葉を聞いたことがない。首を傾げる弁丸に、本屋にあるものじゃ、と昌幸が告げる。本屋で時刻表と聞けば大丈夫じゃ、弁丸にはやはり良く分からなかったが「ほんやでじこくひょう」という件だけは丸暗記した。
「…父上、いくら何でも時刻表は多分無理です」
それまで黙って聞いていた兄・信幸がさすがに昌幸に突っ込んだ。
「電池も種類が多いし、わざわざ団子を指定することもないでしょう?それに加えて時刻表なんて絶対無理ですよ」
「何を言うか、信幸。やってみなければ分からぬではないか」
「分かります。弁丸が混乱するのを見て楽しむおつもりでしょう?」
やれやれと嘆息する信幸。父は昔からそうだ。この素直な弟を目に入れても痛くないほど可愛がっているのも分かるが、もう少し手加減出来ぬものか。大体時刻表なんて全然必要ないではないか。私がしっかりしなくては。
「弁丸、せめて電池はしっかり買わないとあひるさんが動かないよ?」
兄の心労も知らず「はい!」と元気に返事した弁丸は、にこにこと買い物の支度を始めるのだった。
いきなり長くてすいません。この買う物チョイスは、完全におつかいミッション失敗パターンですね。
あれです。ただのお使いも父と息子の戦いなのです。なんだそれ?